問い合わせがくるWebサイトの作り方
コンバージョン率を上げよう
あなたのWebサイトには問い合わせや資料請求、予約、注文がきているでしょうか?そもそもWebサイトにほとんどアクセスがないなら、まずはSEOをはじめとする集客施策を検討しましょう。もしアクセスはあるのに問い合わせや資料請求がこないのなら、「コンバージョン率」が低いはずです。
コンバージョン率とは
「コンバージョン」とは、Webサイト上でユーザーが目的を達成することをいいます。資料請求をしてもらうことが目的のWebサイトであれば、資料請求がコンバージョンです。
「コンバージョン率」は、Webサイトにきたユーザーがコンバージョンする割合を指します。
あなたのWebサイトに100人のユーザーがやってきて、そのうち1人が資料請求をしたのであれば、コンバージョン率は1%ということです。
これを簡単な計算式で表すと以下のようになります。
Webサイトにきたユーザーの数 × コンバージョン率 = 資料請求の数
※コンバージョン率はユーザー数ではなく訪問回数をベースにすることが多いのですが、ここではわかりやすさを優先してご説明しています。
つまり、Webサイトの集客に成功しアクセスが増えても、コンバージョン率が低いと、問い合わせや資料請求といった本来の目的は少ないままということになります。
コンバージョン率の重要性
コンバージョン率は、何をコンバージョンとするかによっても違ってきますし、扱っているサービスや商品によっても変わってきます。一概には言えませんが、問い合わせや資料請求が目的のWebサイトでは1%〜3%が平均的なコンバージョン率と言われます。
コンバージョン率はパーセントで表現するとたいしたことのない数字に思えますが、実際の目的達成数で考えると非常に大きな影響力があることがわかります。
例えば、あなたのWebサイトには毎月1,000人のユーザーが訪れるとします。資料請求のコンバージョン率が1%であれば、次の式のとおり、資料請求は10件です。
1,000人 × 1% = 10件の資料請求
もし、コンバージョン率を改善する取り組みによって、コンバージョン率が3%になったとすると、次の式の通り、資料請求は30件になります。
1,000人 × 3% = 30件の資料請求
たった2%の差で、10件だった資料請求が30件に増加します。資料請求がこれほど増えると、あなたのビジネスに良い影響があるのは間違いありません。
このようにコンバージョン率は僅かな差で大きな影響を与えることがあります。
ただし、そもそもWebサイトのアクセス数が少ないと、コンバージョン率を改善してもその影響は微々たるものです。ですので、もしWebサイトの集客がうまくいっていないのであれば、まずは集客施策からはじめることをおすすめします。集客施策の基本であるSEO対策ではコンテンツが非常に重要になりますが、コンバージョン率の改善でもコンテンツは重要です。SEOを意識したコンテンツがコンバージョン率アップにも貢献することがあるので、まだアクセス数が少ないのであればまずは集客を検討しましょう。
商品、サービスの素晴らしさを伝える
それではどうやってWebサイトのコンバージョン率を上げればいいのでしょうか?まずはじめに考えるべきなのは、自社の商品やサービスの魅力は何か、ということです。あなたの商品やサービスにはお客様に購入される魅力や優位性があるはずです。しかしそれがWebサイトで伝わらなければ、それがどれほど良いものでも問い合わせや資料請求、予約にはつながりません。
ターゲットとニーズとコンテンツ
商品やサービスの魅力を伝えるためには、それがどんな人のどういうニーズを満たすものなのかを検討することからはじめます。つまり「ターゲット」と「ニーズ」を設定するということです。そして、自社の商品やサービスがいかにターゲットのニーズを満たすことができるかをWebサイトのコンテンツで訴求するのです。
例えば、今これを読んでいるあなたは企業の担当者や事業主で、Webサイトからの問い合わせや資料請求、予約などを増やしたいと考えているのではないでしょうか。もしそうであれば、あなたはまさに弊社の求めるお客様です(!)。
弊社のお客様はWebサイトの集客や成果に悩む企業の担当者や事業主で、このWebサイトのターゲットでもあります。そして、弊社はそういった方々の悩みや課題を解決するためのサービスを提供しており、それができる知識や経験やスキルを持っていることを伝えるためにこのコンテンツがあります。
このように、Webサイトのコンテンツはユーザーの視点に立って戦略的に用意する必要があるのです。
Webサイトは優秀な営業マン
それではターゲットとニーズ、それらに対応したコンテンツを決めていけばいいのでしょうか?もっとも簡単な方法は、実際のお客様への営業トークやプレゼンテーションの場面を思い浮かべてみることです。そのお客様はどんな方で、あなたはどんな話をするでしょうか。きっと自社のサービスや商品に興味を持ってくれそうなお客様に、その魅力やメリットを熱心に説明しているでしょう。これと同じことをWebサイト上でもやればいいのです。
もしかするとあなたは企業の広報担当者で、営業トークに関しては詳しくないかもしれません。そんな時は営業やマーケティングの担当者を巻き込んでしまいましょう。彼らの知識やノウハウはWebサイトでも大活躍するはずです。
素晴らしいコンテンツを備えたWebサイトは優秀な営業マンです。24時間365日、休むことなくお客様に宣伝し、見込み客を連れてきてくれるのです。
安心と信頼
Webサイトのコンバージョン率を上げる上で重要なポイントが、安心感と信頼感です。
ある人が自分のお店の内装デザインを請け負ってくれる業者を探しているとします。その人がGoogleで内装デザインの業者を探したところ、2つの業者を見つけました。一方の業者のWebサイトはデザインが古臭く、詳しい情報もほとんど載っていませんでした。もう一方の業者のWebサイトは洗練された印象で、サービスに関する詳しい情報や、これまでの実績が掲載されていました。この人がどちらの業者に連絡をするかは考えるまでもありません。
Webサイトから問い合わせや資料請求をおこなうユーザーは、ほとんどの場合、疑問や不安を持っています。これらの心理的なハードルをいかに取り除くかが重要です。
ユーザーの疑問や不安を払拭してコンバージョン率を上げるための要素はたくさんありますが、以下に代表的なものを挙げます。
- 洗練された印象を与えるデザイン
- 好感が持てる商品や店舗、スタッフの写真
- 商品やサービスの詳しい説明
- 過去の実績や導入事例
- お客様の声(アンケートやインタビュー)
- 価格や費用の表記
- FAQ
- 会社情報(創業年数や会社規模を示す情報)
これら以外にも業種によってお客様が疑問を持つポイントがあります。例えば、治療院であれば施術が保険適用になるかどうかなどです。こういった疑問や不安にしっかりと応えていくことでコンバージョン率を上げることができます。
もし創業したばかりで、公開できる実績などがない場合には、あなた自身の経歴を可能な範囲で掲載してみてはいかがでしょうか。会社に実績はなくても、あなた自身にはしっかりとした知識や経験があるはずです。
ユーザーの離脱を防ごう
コンバージョン率を上げるための考え方で重要なのが、いかに離脱を防ぐかということです。ユーザーは、トップページやサービス紹介ページ、ブログ記事などいろいろなページからWebサイトに入ってきます。訪問してくれたユーザーがお問い合わせや資料請求をしないまま離脱してしまうのは非常に残念なことです。
ユーザビリティ
離脱につながる原因はたくさんありますが、Webサイトが分かりにくかったり、使いづらかったりすることで途中で離脱するケースがあります。どこに自分の知りたい情報が載っているのか分からなかったり、どこをクリックすればいいのか分からないようなWebサイトに遭遇した経験があなたにもあるはずです。きっとあなたはそのWebサイトを見るのをやめてしまったことでしょう。
これは主に「ユーザビリティ」の問題です。ユーザビリティはWebサイトの使いやすさや見やすさを表す言葉です。ユーザビリティの悪いWebサイトは当然離脱率が高くなります。
ユーザビリティの良いWebサイトを作るためのポイントもたくさんありますが、主なものを以下に挙げます。
- 見やすく読みやすいテキスト
- 整理された情報
- クリックできることがひと目でわかるリンク
- 独特すぎないレイアウトや機能、デザイン
Webサイトのユーザビリティを考える上で、大切な視点があります。それは「使い慣れたものが、使いやすい(=ユーザビリティが良い)」ということです。例えば、Windowsを使っている方が「Macは使いにくい」とおっしゃるのを時々耳にします。しかし、多くのMacユーザーは「Windowsは使いにくい」と考えています。結局は慣れなのです。
Webサイトも同じで、見慣れたレイアウトやクリックした時にどうなるかが予想できる機能に対しては、ユーザーは見やすく使いやすく感じるのです。
ほとんどのWebサイトはデザインや内容が違っても、レイアウトや基本的な構造、パーツの種類は数パターンに分類できます。逆に分類できないような突飛なものに対しては、多くのユーザーが戸惑ってしまうでしょう。
コンバージョン率の改善は「後ろ」から
途中離脱を防いでコンバージョン率を上げる施策を検討する場合、「後ろ」の方から手をつけるのが基本です。「後ろ」とは、Webサイトにやってきたユーザーが最後に目的を達成するお問合せフォームなどを指します。
Webサイトを訪問したユーザーたちは少しずつ離脱していき、残ったユーザーだけが問い合わせや資料請求などをおこないます。なるべくコンバージョンが発生する地点に近いところから改善したほうが、小さな修正で大きな効果が得られるのです。
EFO(エントリーフォーム最適化)
そういった意味で、問い合わせフォームや資料請求フォームの改善は非常に重要です。これを「EFO(Entry Form Optimization=エントリーフォーム最適化)」と呼ぶこともあります。
EFOの代表的な施策は以下のとおりです。
- 入力項目を少なくする
- 必須項目を少なくする
- 半角数字入力のみ、全角入力のみなどの入力制限をしない
- 入力制限がある場合、自動的に入力方式を変更する
- 郵便番号による住所の自動入力
- 分かりやすいエラーメッセージの表示
上記を見れば分かる通り、基本的な考え方は「ユーザーのストレスを極力減らす」というものです。特にスマートフォンではフォームの入力が煩わしくなりがちです。入力のストレスを減らすことで、フォームでの離脱率を下げることができます。
表示速度を速くする
アクセスしたウェブサイトの表示速度が遅く、待ちきれずに見るのをやめてしまったことはないでしょうか。同じようにあなたのWebサイトに訪れるユーザーはとても短気です。スマートフォンの場合、この傾向はさらに顕著になります。
Googleの発表によれば「モバイルサイトのページの読み込みに3秒以上かかると、53%のユーザーがページを離れる」ということです。3秒は非常に短い時間に感じますが、約半数のモバイルユーザーがこれを待っていられないわけです。
【参考】Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed | Google(英語)
https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-resources/data-measurement/mobile-page-speed-new-industry-benchmarks/
表示速度を遅くする原因には、サーバーの応答速度や画像サイズなど様々なものがありますが、これらを調整することで可能な限り表示速度が速いWebサイトを目指すべきです。
なお、表示速度はSEOにも関係しています。Googleは表示速度が非常に遅いモバイルページの順位を下げる「Speed Update」を2018年7月に導入しています。どれくらい遅い場合に対象になるのかは発表されていませんが、最初の要素が表示されるまでに数十秒かかるモバイルサイトが対象ではないかといわれています。ほとんどのモバイルサイトには関係がなさそうですが、表示速度があらゆる点から重要であることは間違いありません。
最高のUX(ユーザー体験)を目指す
コンバージョン率の改善には様々な角度からの施策が必要になりますが、それらを検討する上で「UX(User Experience)」という視点が重要です。
積み重ねが大切
UXに似た言葉に「UI(User Interface)」がありますが、意味するところは違います。UIは、Webサイトの画面や入力フォームなど、目に見える部分や操作する部分の総称です。対してUXは、Webサイトにおけるユーザーの体験や経験を指す言葉です。
良いUIは良いUXにつながります。ただUXにはWebサイトの使い勝手だけではなく、そこで得られる情報や、受けられるサービスなども、その良し悪しに関係してきます。Webサイトの総合力がUXを左右するとも言えます。
最高のUXを提供できれば、必ずコンバージョン率は上がります。とはいえこれには積み重ねが必要です。いきなり最高のUXを目指す必要はありません。アクセス解析などを通してWebサイトのボトルネックを発見し、少しずつ改善していきましょう。